DEXは、中央集権型取引所(CEX)とは異なり、ブロックチェーン上に構築された分散型取引所のことを指す。DEXは、ユーザーが所有するプライベートキーで自分の資産を直接管理でき、安全性が高く、取引手数料も低く抑えられるという特徴がある。
DEXには、Uniswap、Sushiswap、Pancakeswap、Curveなど、さまざまな種類がある。DEXは、ブロックチェーンの分散性と暗号通貨の本来の理念であるプライバシーや自己所有を尊重するために重要であり、今後、ブロックチェーンエコシステムにおいてますます重要な役割を果たしていくことが期待されている。

目次
DEXとは?
DEX(Decentralized Exchange)は、中央集権型の取引所と異なり、ブロックチェーン技術を用いた分散型の取引所のことである。以下は、DEXに関する情報である。
- DEXは中央集権型取引所よりもプライバシーが高く、取引情報が公開されないため、安全性が向上する。
- DEXはユーザーが自分のウォレットに保持するプライベートキーで取引を行うため、取引所に預けている資産がハッキングのリスクから守られる。
- DEXは、開発者がアプリケーションを構築するためのAPIを提供しているため、開発者がDEXを利用して独自の分散型アプリケーションを構築することができる。
- DEXは、流動性が不足しているトークンや新規上場トークンの取引に適している。また、新規プロジェクトはDEXを利用することで、中央集権型取引所に上場することなくトークンを流通させることができる。
- DEXのトランザクション速度は中央集権型取引所に比べて遅い傾向がある。また、流動性が不足しているトークンは価格が大きく変動するため、取引が不利になる場合がある。
- DEXは、トランザクションの確認がブロックチェーン上で行われるため、ブロックチェーンの手数料を支払う必要がある。
- DEXの取引にはウォレットとそのウォレットに設定されているガスの量が必要であり、初心者にとっては使い方が複雑である場合がある。
DEXの4つの特徴
DEXにはセキュリティや透明性などの特徴があり、詳細を下記にて解説する。
1. セキュリティ
- 暗号化されたP2Pトランザクション:DEXは、取引が完全に暗号化され、ユーザーの財布にあるプライベートキーで保護されるため、セキュリティが高くなっている。
- データの分散:DEXは、分散型台帳技術を使用しており、ネットワークに参加するノードが多数あるため、取引情報やその他のデータが一元管理されないため、攻撃者によるデータ改ざんやシステムの破壊が困難になる。
- スマートコントラクトによる自動化:DEXの多くは、スマートコントラクトを使用して、資金を自動的に管理し、自動的に実行するため、取引が完全に自動化されるため、機械的なエラーが排除され、攻撃者によるデータ改ざんや不正行為が減少する可能性がある。
2. 透明性
- DEXはブロックチェーン上で完全に透明に動作するため、プラットフォーム全体がオープンで、不正操作が防止される。
- ユーザーは、自分のウォレットに直接アクセスし、取引に必要なトークンをロックするため、DEXに対する信頼性が高い。
- トランザクションの承認は、ブロックチェーン上で完全に透明であり、ユーザーは自分の取引の状況をリアルタイムで確認することができる。
3. 自主性
- DEXは、中央集権型取引所と異なり、投票システムや取引手数料などの意思決定を、ユーザー自身で行うことができる。
- DEXは、スマートコントラクトを使用して取引を行うため、取引の透明性が高く、情報が公開される。
- DEXは、ユーザーのプライバシーを保護するため、ユーザーが自分自身でウォレットを所有しているため、個人情報の共有がない。
4. 手数料の低さ
- DEXは、取引所が手数料を課す中央集権的な取引所とは異なり、取引手数料が低い傾向がある。
- DEXの手数料は、トランザクションのガス費用に関連しており、ネットワークの混雑によって変動するため、時間帯によっては手数料が高くなることもあるが、取引所の手数料よりも安価な場合がある。
- DEXには、トークンの作成者が取引手数料を設定できる機能があり、トークンの所有者に優遇的な手数料設定を提供することもできる。
人気のDEX
Uniswap
- Uniswapは、AMM(Automated Market Maker)方式を採用した分散型取引所の1つであり、ユーザーがトレードに必要なトークンを提供することで、流動性を提供することができる。
- Uniswapは、ERC-20トークンのトレードができることが特徴であり、多数のトークンが上場している。
- Uniswapは、ユーザーがイーサリアムウォレットを使用してトレードすることができるため、セキュリティとプライバシーが保護されているという利点がある。
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Sushiswap
- SushiswapはUniswapに似た自己修復機能を備えており、取引手数料の一部をSUSHIトークンの保有者に分配することにより、プラットフォームの発展に寄与することができる。
- ユーザーは、Uniswapにおける仮想通貨の交換だけでなく、LendやMargin TradeなどのDeFiサービスを提供している他のプラットフォームにもアクセスできる。
- Sushiswapは、ユーザーがより多くの収益を得るために、他のDeFiプロトコルとの協力に積極的である。例えば、Uniswapとの協力により、ユーザーは収益性の高い流動性マイニング活動に参加できる。
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dydx
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Curve
- curveは、イールドファーミングを活用したトークン交換プラットフォームである。
- イールドファーミングを通じて、ユーザーはcurve上のトークン取引に参加し、手数料を得ることができる。
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DEXの利点
DEX(分散型取引所)のメリットは以下の通りである。
- セキュリティ:DEXは、セキュリティ上の脆弱性が少ないため、取引所からのハッキングのリスクを軽減することができる。
- 匿名性:DEXは、取引を匿名で行うことができる。このため、取引者は個人情報を共有する必要がなく、プライバシーが保護される。
- オープンソース:DEXは、オープンソースの技術を使用しているため、誰でもDEXに貢献することができる。これは、イノベーションを促進し、より透明な市場を構築するために必要である。
- トークンの所有権:DEXは、トークンを保持したまま取引を行うことができる。したがって、中央集権型取引所に比べて、投資家は自分のトークンを安全に保持することができる。
- リスクの分散:DEXは、ネットワークの中に複数のノードが存在するため、一つのサーバーがダウンした場合でも、ネットワーク全体が継続して取引を行うことができる。これは、リスクを分散し、市場の健全性を保つために重要である。
DEXの欠点
以下は、DEXの欠点についてである。
- 流動性の不足:中央集権型取引所に比べ、DEXには流動性が不足している場合がある。これは、取引が完了するためには、取引ペアに十分な量のトークンが必要であるためである。
- 高い手数料:DEXはスマートコントラクトを使用するため、取引には多くのガスが必要である。そのため、手数料が高くなる場合がある。
- 取引の遅延:DEXは、中央集権型取引所に比べ、取引が遅くなる場合がある。これは、ブロックチェーン上で完了するため、処理時間が長くなるためである。
- ユーザーエクスペリエンスの低下:DEXは、中央集権型取引所に比べ、ユーザーエクスペリエンスが低下する場合がある。これは、スマートコントラクトの使用やUI/UXの改善が不十分なためである。
- プラットフォームリスク:DEXは、中央集権型取引所に比べ、プラットフォームのセキュリティリスクが高い場合がある。スマートコントラクトに不具合があると、ユーザーが資産を失う可能性がある。