2023年は基盤の構築の年であったとすれば、2024年はSolanaの年と言えるかもしれない。世界中で産業が低迷しているにもかかわらず、開発者たちは2023年を通じてSolanaエコシステムにとどまり、着実にシステムの構築に努めている。
Solana Foundationのオープンソースサービスによれば、現在Solanaエコシステムには2,500人以上の開発者が存在している。さらに同じ報告書によれば、その2,500人以上の開発者のうち、52.5％は3年以上の経験を持つシニア開発者となっている。またMessariのSolanaの状況に関する報告書によれば、2023年第4四半期には平均で1日あたり40.7百万のユーザートランザクションがあり、最高で1日あたり405,000人のユニークな手数料支払い者がいた。
エコシステム全体からそしてそれ以上に多くの開発者たちが、次世代のブロックチェーンプロジェクトの基盤を築くために一生懸命取り組んできた。インフラはここにあり、新しいツールに関して期待してもらえる多くのものがある。
トークン拡張機能
2024年初頭に、トークン拡張機能がSolana上でのトークン作成をより柔軟にする新機能を導入する。
大手機関との協力で開発されたトークン拡張機能はサードパーティプログラムを使用せずにトークンプログラムのレベルで機能を提供する。これにより、互換性を維持しながらオープンでカスタマイズ可能なトークンプログラムを簡単に構築できるようになる。
- 機密トランスファー：透明なブロックチェーン上で機密なトークン送金を可能にし、オプトインの機密性と任意の監査可能性を提供。
- トランスファーフック：トークン送金を制御するためのカスタムプログラムを呼び出す。
- メタデータポインタ：トークンメタデータの真正性を確認するために、メタデータの正確な情報源を指定できるようにする。
将来のランタイムのアップグレードと組み合わせることで、Solanaエコシステムはオープンでカスタマイズ可能なトークンプラットフォームを構築している。
Firedancerと追加のバリデータクライアント
Breakpoint 2023で、Jumpが構築中のSolanaバリデータクライアントの新バージョンがテストネットで稼働していることが発表された。
Solanaバリデータの完全なコードの書き直しにより、ネットワーキング、ランタイム、コンセンサスのコンポーネントが最適化されている。初期のベンチマークではテスト環境でコモディティハードウェア1コアあたり100万以上のトランザクションを処理することが示されている。Firedancerはソフトウェアのボトルネックを取り除き、Solanaネットワークが将来のハードウェアの進化に合わせてスケーリングできるようにする。
Firedancerは元のSolana Labsクライアントに代わる代替として構築されているいくつかの異なるバリデータクライアントの一つである。
- Jito-Solana：Jito Labsによって構築され、Solana Labsクライアントのフォークアップデート。
- Sig：SyndicaによってZigで完全な書き直しを行ったSolanaバリデータクライアント。
- TinyDancer：軽量なクライアント。
追加のバリデータクライアントはSolanaネットワークをより頑強で安定したものにし、セキュリティを向上させる。詳細は最新のバリデータヘルスレポートで確認できる。
機関のサポート
過去の12か月には、多くの伝統的な大手機関から、Solanaエコシステムへの基盤のサポートを拡大する発表があった。
Solanaブロックチェーンノードの開発ブループリントはAWS上で利用可能になり、Solana上でのプロジェクトを構築したい企業は、最小限の技術的な努力で独自のコンセンサスノードやRPCノードを展開できる。さらに、SolanaのデータはGoogle CloudのBigQueryでライブになり、さらにFloorがデータをどのように活用しているかをご覧いただける。
成熟したビルディングエコシステム
最近の「Solana Developer Ecosystemの状況」レポートによれば、過去12か月でツール、教育コース、ドキュメンテーションが大量に増加しています。考慮すべき重要な点は以下である。
- 対面およびオンラインのコースが増え、新世代にSolana上でビルドする方法を教えている。
- ビルダーはSDKまたはプログラムフレームワークを介して最大12のプログラミング言語でコーディングできるようになった。これにはSolidity、Python、C++などが含まれる。
- EVM開発用のツールが存在し、Neon EVMやHyperledger Solangなどが利用できる。
- EVMエコシステムのほとんどのツールにはSolanaの相当するものが存在する。
開発者向けの基本的なツールに加えて、現在ライブまたは開発中の具体的なアップデートもあります。以下はその一部です
- Solana LabsはGameshiftを立ち上げ、ゲームにブロックチェーン機能を簡単に統合できる新しいゲームAPIを提供している。これにより、web3開発経験がなくてもSolana上でweb2に対応したゲームを構築することが容易になる。Armada MarketsはDAO向けにトークンの発行、流動性、モジュラートークノミクス、ステーキングを向上させるツールキットを作成した。
- Solanaの許可された環境（SPE）は大企業がカスタマイズ可能なSVMインスタンスを活用できるようにするもので、PythがSPEをどのように使用しているかを確認できる。
- 新しいweb3.jsはSolana上でのdAppsのバンドルを5倍に縮小できる次世代ライブラリである。
- Solana Pay x ShopifyプラグインはビジネスがUSDCでの支払いを簡単に受け入れることを可能にする。
- まだ開発中のRuntime v2はより高速な実行、シンプルなAPI、および合成性のためのネイティブサポートに焦点を当てている。
