ラップドビットコイン(WBTC)は、ビットコインをイーサリアムのERC-20トークンにラップすることで作成された暗号通貨である。
イーサリアム上で使用され、スマートコントラクトを介してビットコインの保有権を証明し、イーサリアムエコシステム内でのビットコインの利用を可能にする。
WBTCの取引所やウォレットなどのサポートが増加しており、イーサリアム上で利用できるため、DeFiのアプリケーションでの使用が期待されている。
ラップドビットコインとは?

Wrapped Bitcoin(ラップドビットコイン)の基本情報としては下記のようになっている。
項目 | 内容 |
---|---|
コイン名称 | Wrapped Bitcoin (ラップドビットコイン) |
シンボル | WBTC |
サイトURL | wbtc.network |
時価総額ランク* | 19 |
価格* | 27,403USD |
ブロックチェーン | イーサリアム |
取り扱い国内取引所 | – |
取り扱い海外取引所 | Binance(バイナンス) Kucoin(クコイン) Coinbase(コインベース) |
最大供給量 * | |
総合供給量 * | 150,251 BTC |
循環供給量 * | 150,251 BTC |
*2023年3月現在時点
複数企業により開発
ラップドビットコインの開発チームは、以下のような人々で構成されている。
彼らはビットコインのブロックチェーン上にビットコインをロックし、イーサリアムのブロックチェーン上に新しいトークンを作成するプロセスを管理している。
また、ウォレット、取引所、DAppなどのデジタル資産エコシステム内でのラップドビットコインの使用を促進するために、各種パートナーシップも締結している。
- BitGo: カリフォルニア州パロアルトに拠点を置く企業で、デジタル資産の保管やセキュリティサービスを提供している。
- BitGo Trust: 米国の信託会社で、デジタル資産の保管を専門としている。
- Kyber Network: シンガポールに拠点を置くブロックチェーンプロトコルで、異なるトークン間の相互交換を可能にする。
- Ren: シンガポールに拠点を置くブロックチェーンプロトコルで、異なるブロックチェーン間のデジタル資産の相互運用性を促進する。
ラップドビットコインのストーリー
ラップドビットコインは現在に至るまで以下の経緯があった。
- 2017年にイーサリアム上で初めてラップドビットコイン(WBTC)が提供され、BitGo、Kyber Network、Ren、CoinList、Dharmaなどが参加した。
- WBTCは、ビットコインをイーサリアムブロックチェーン上にあるERC-20トークンに変換することで、ビットコインの流動性を向上させるために設計された。
- WBTCは、BitGoとKyber Networkの共同提携によって発行された。
- WBTCは、暗号通貨取引所やDeFiプロトコルで取引され、ユーザーはWBTCを保有することで、ビットコインの価値をイーサリアム上で活用することができる。
- 2021年現在、WBTCはCoinList、Curve、Balancer、Uniswap、SushiSwap、Aaveなど、多数のプラットフォームで取引されている。
- WBTCの保有量は、2021年初頭には10万BTCを超え、2022年には50万BTC以上に増加した。
- WBTCは、ビットコインとイーサリアムの間のブリッジとして機能し、ビットコインの流動性を高めることができる。
時価総額19位
CoinMarketCap(コインマーケットキャップ)によると、ラップドビットコインの2023年3月現在の時価総額は19位となっている。
TradingViewのリアルタイムに更新されるチャートより、ラップドビットコインの価格は下記の通りである。
ラップドビットコインの仕組みとは?
1. WBTCを受け取る
WBTCを受け取るために、ユーザーは販売業者にトークンのリクエストを行う。その後、販売業者は必要なKYC / AML手続きを行い、ユーザーの身元を確認する。
これが完了すると、ユーザーと販売業者はスワップを実行し、ユーザーからビットコインが販売業者に転送され、販売業者からWBTCがユーザーに転送される。

2. ミンティング
ミンティングとは、新しいラップトークンを作成するプロセスを指す。ラップトークンのミンティングは、販売業者によって開始され、カストディアンによって実行される。

3. バーニング
バーニングとは、ビットコインをWBTCトークンに引き換えるアクションであり、販売業者のアドレスだけがこれを行える。 ‘燃やす’金額は、販売業者のWBTC残高(チェーン上)から差し引かれ、WBTCの供給量が減少する。

ラップドビットコインの5つの特徴
ラップドビットコインには以下の5つの特徴がある。
- ラップドビットコインは、ビットコインの価値をEthereumブロックチェーンにもたらし、Ethereumブロックチェーンの機能性を拡張することができる。
- ラップドビットコインは、BTCをERC-20トークンとして包み、Ethereum上のスマートコントラクトを使用してBTCを管理することができるため、ビットコインの流動性を向上させることができる。
- ラップドビットコインは、ビットコインのユーザーにEthereumの分散アプリケーション(dApps)への参加を可能にし、ビットコインユーザーがEthereum上でdAppsを使用することができる。
- ラップドビットコインは、ビットコインが保有している市場価値をEthereumブロックチェーンにもたらすため、ビットコインがEthereum上でより広く使用されるようになる可能性がある。
- ラップドビットコインは、ビットコインの安全性を保ちながら、ビットコインの価値をEthereumブロックチェーンに移転できるため、ビットコインのユーザーが安全かつ迅速にEthereum上でビットコインを使用することができる。
ラップドビットコインの将来性
ラップドビットコインは将来的に以下のような可能性があると考えられている。
- ラップドビットコインはビットコインとイーサリアムの間のブリッジであり、このような種類のトークンは将来的にますます需要が高まると考えられている。ビットコインとイーサリアムの相互運用性が重要であることから、DeFiプラットフォームなどでトークンを移転する際に効果的であるためである。
- ラップドビットコインは、ビットコインの使用範囲を広げる可能性がある。
- ビットコインがブロックチェーン上での支払いに限られるのに対して、ラップドビットコインはスマートコントラクトによって、様々な方法で利用できるようになっている。例えば、ラップドビットコインを使ってビットコインでイーサリアム上のアプリを使用したり、ビットコインをレンディングしたりすることができる。
- ラップドビットコインの発行量は増加しており、ビットコインがイーサリアムネットワークで活用されることが増えるため、需要が高まることが予想される。
- ラップドビットコインは、暗号通貨の価格変動から保護されるという利点がある。
- ビットコインの価格変動は大きく、多くの投資家がこの変動に不安を感じているが、ラップドビットコインはステーブルコイントークン(stablecoin)と同じように、ビットコインの価格変動から保護される。
- ラップドビットコインは、分散型金融(DeFi)のエコシステムをより強化するために設計されている。DeFiの成長が続くことで、ラップドビットコインがより重要な役割を果たすことが期待されている。