Thorchainは、クロスチェーンのデジタルアセット取引プラットフォームであり、異なるブロックチェーン上にあるトークンの交換を可能にする。ユーザーは、スワップ、イールドファーミング、またはトランザクションの処理に対して、THORChainの独自のトークンであるRUNEを使用できる。
THORChainは、ネットワークに参加するさまざまなパーティーに報酬を提供するための独自の経済モデルを持ち、中立的かつ安全な方法で資金を移動することを可能にする。また、ユーザーは、資産のステークと引き換えに、保有するRUNEトークンの割合に応じて報酬を受け取ることができる。
Thorchainは、トランザクション処理手数料を受け取り、その手数料はネットワークの参加者に配分される。
目次
THORChainとは?

THORChainの基本情報としては以下のようになっている。
項目 | 内容 |
---|---|
コイン名称 | THORChain |
シンボル | RUNE |
サイトURL | thorchain.org |
時価総額ランク* | 89 |
価格* | $1.41 |
ブロックチェーン | BNB Smart Chain |
取り扱い国内取引所 | – |
取り扱い海外取引所 | Binance(バイナンス) Kucoin(クコイン) Coinbase(コインベース) |
最大供給量 * | 500,000,000 RUNE |
総合供給量 * | 498,475,594 RUNE |
循環供給量 * | 327,056,566 RUNE |
*2023年3月現在時点
CoinMarketCap(コインマーケットキャップ)によると、THORChainの2023年3月現在の時価総額は89位となっている。
TradingViewのリアルタイムに更新されるチャートより、THORChainの価格は下記の通りである。
THORChainの開発
Thorchainの開発に関係する人物と企業についての情報は以下の通りである。
- CEOのChad Barrafordは、Thorchainを創設した人物の1人であり、チームのリーダーとしての役割を果たしている。
- CTOのJarrad Hopeは、Thorchainの開発を担当しており、Block8という企業の創設者でもある。
- ブロックチェーンのコミュニティーで有名な分散型取引所であるBinance DEXの共同創設者であるTomoaki Satoも、Thorchainのコミュニティーメンバーの1人である。
- Thorchainは、ベンチャーキャピタルのMulticoin Capital、THORChain DAO、J.P. Morgan、Polychain Capital、Scalar Capital、Galaxy Digital、Framework Venturesなどの投資家から資金調達を行いた。
- Thorchainは、Cosmosというブロックチェーンのエコシステムを使用しており、Cosmosの共同創設者であるJae Kwonも、Thorchainのアドバイザーの1人である。
- Thorchainのコードは、オープンソースのプロジェクトであり、コミュニティーベースで開発されている。ThorchainのGitHubリポジトリには、開発者がコントリビュートしたコードが公開されている。
THORChainのストーリー
Thorchainは2018年に誕生して以降、以下の様にプロジェクトが進行された。
2018年
- Thorchainは開発チームが取り組むための初期資金調達ラウンドを開始した。
- Thorchainは最初の技術的なプレビューをリリースした。
- ThorchainはBEPSwapの発表を行い、Binance Chainを使用したDEXを開発するための提携を発表した。
- Thorchainは、Blockfolio Signalを使用してプロジェクトに関する最新情報を提供することを発表した。
- ThorchainはCosmosとの提携を発表し、Cosmos Hubとの相互運用性を目指すことを発表した。
- Thorchainは、BEPSwapの最初のテストネットをリリースし、公式テレグラムグループに参加している人々がテストに参加できるようにした。
2019年
- Thorchainは公式テストネットをリリースし、ユーザーがプラットフォームを試すことができるようになった。
- Thorchainは最初のメインネットをリリースし、ユーザーが実際のトランザクションを実行することができるようになった。
- Thorchainは新しいバージョンのホワイトペーパーをリリースし、その中で、さまざまな新しい機能や改善が紹介されている。
- Thorchainはバグ報奨金プログラムを開始し、ユーザーがプラットフォームに関する問題を報告することで報酬を受け取れるようになった。
- ThorchainはBitMaxとのパートナーシップを発表し、BitMaxがThorchainのトークンを上場することを発表した。
- Thorchainは機能拡張の一環として、新しいユーザーインターフェースを導入し、プラットフォームの使用を改善した。
2020年
- ThorchainがBinance DEXから退去し、自己主導型マルチチェーンのDeFiプロトコルとしての発展を加速すると発表した。
- THORChainが自己主導型のマルチチェーンDeFiプラットフォームを公開し、ベータ版のテストネットがリリースされた。
- THORChainは新しいトークンのRuneを発行し、トークン保有者に配当を支払う方法を導入した。
- THORChainはV1.0.0メインネットをリリースし、ルートトークン(Rune)を使用したクロスチェーンスワップを可能にした。
- THORChainはモバイルウォレットTrust Walletと提携し、クロスチェーンスワップを提供することを発表した。
- THORChainはEthereumのような他のブロックチェーンとの相互運用性を目的として、BitcoinとのAtomic Swapsを公開した。
- THORChainは新しいステーキングモデルを導入し、リキッドティエリングを開始し、貢献者が報酬を受け取るのに必要なステーキング量を下げました。
2021年
- Thorchainは多くのDeFiプロジェクトが抱える問題であるセキュリティ問題に対処するために、Smart Contract Auditingを実施するQuantstampと提携したことを発表した。
- ThorchainはDistributed Exchange (DEX)による損失を保証するDecentralized Loss Protection(DLP)機能を発表した。これにより、ユーザーはトークンの流動性を失うことなく、DEXが潰れた場合にも損失を補償することができる。
- ThorchainはLiquidity As A Service(LAAS)と呼ばれる新しいプログラムを発表した。このプログラムにより、サードパーティがThorchainの流動性を利用して独自のDEXを構築できるようになった。
- Thorchainは新しいアップグレードである“RUNE 0.5.0”を発表した。新しい流動性プール機能が追加され、DeFiプロトコルの改善が行われました。
- Thorchainは、新しいクロスチェーンブリッジのリリースとともに、BitMaxと提携した。BitMaxは、ThorchainのトークンであるRUNEの取引ペアを提供し、Thorchainのブリッジを介して他の暗号通貨との相互交換が可能になった。
2022年
- トラストウォレットがクロスチェーンスワッププロバイダーとしてThorchainを統合した。これにより、Thorchainユーザーはモバイルウォレットから簡単にアクセスできるようになった。
- Thorchainチームは、メインネットのテストを開始し、世界初のマルチチェーンDEXを実装することを目指している。
- EdgeウォレットもThorchainを統合し、スマートフォン上でのスワップを可能にした。
- Thorchainは、RUNEトークンのトークンモデルを改良し、トークンを使ったステーキングによる報酬を増やした。
- LuviとMidgardによるAPRの計算方法のアップデートが導入された。
- Thorchainは、従来のオーダーブック型のDEXに代わる新しい方法として、連続的な流動性プールを導入した。
- Thorchainは、Governance Treasuryを通じて、Thorchainエコシステムの開発に積極的に資金を提供するようになった。
- Thorchainは、Syntheticsモデルを開発し、トラストレスな方法で様々なアセットをトークン化し、DEXでトレードできるようにした。
- Thorchainのドキュメントや開発者向け情報が大幅にアップデートされ、開発者の利便性が向上した。
- Thorchainチームは、2023年に向けた計画を明らかにし、より多様なアセット、新しい機能、プロトコルの安定化などに取り組んでいる。
THORChainの6つの特徴
以下はThorchainの技術に関する特徴である。
- マルチチェーンアセット交換:Thorchainは、異なるブロックチェーン上にあるデジタルアセットの交換を可能にする、マルチチェーンのアセット交換プラットフォームである。このために、Thorchainは、ネイティブなマルチチェーンアーキテクチャを採用し、ブロックチェーンを縦断するためのクロスチェーントークンスワップを実現している。
- リキッドティプール:Thorchainは、リキッドティプールを使用して、価格形成を行っている。リキッドティプールは、参加者が提供したトークンをプールし、自動的に価格を決定する仕組みであり、ユーザーが直接他のトークンをスワップできるようになっている。
- クロスチェーンブリッジ:Thorchainは、他のブロックチェーンに接続するためのクロスチェーンブリッジを提供している。これにより、ユーザーは、異なるブロックチェーン上のトークンを直接スワップできる。
- クロスチェーンイールドファーミング:Thorchainでは、ユーザーが参加することができる、異なるブロックチェーン上のトークンのイールドファーミングが可能である。ユーザーは、トークンをステークすることで、より多くのトークンを獲得できる。
- プルーフオブステーク:Thorchainは、プルーフオブステーク(PoS)を採用している。ノードがトランザクションを処理するために必要なRUNEをステークすることで、システムのセキュリティとネットワークの機能性を確保している。
- ディセントラル化:Thorchainは、完全に分散化されたネットワークであり、分散化されたトランザクション処理と分散化されたデータ保存を実現している。ユーザーの資産は、完全に所有され、制御されている。また、Thorchainは、完全にオープンソースであり、誰でもプロトコルに貢献することができる。
THORChainの今後の将来性
THORChainは将来的に以下のような可能性があると考えられている。
- クロスチェーン交換の需要の増加:現在、クロスチェーン交換の需要は急速に増加している。Thorchainは、異なるブロックチェーン間のデジタルアセット交換を実現する革新的なプラットフォームであり、この需要の増加に対応できるようになっている。
- 多様なアセットの対応:Thorchainは、他のクロスチェーンプラットフォームと比較して、多様なアセットに対応している。これにより、ユーザーは、異なるトークンを簡単にスワップできるようになり、より多様な取引ペアが可能になる。
- ユーザーフレンドリーなインターフェース:Thorchainは、ユーザーフレンドリーなインターフェースを提供している。初心者でも簡単にトークンをスワップしたり、イールドファーミングに参加したりすることができる。
- 成長するエコシステム:Thorchainは、成長するエコシステムを持ち、多数のデベロッパーやプロジェクトが参加している。Thorchainの機能性やセキュリティ性が向上し、将来的には、より多くのユーザーや企業が参加することが期待されている。