BAYC(ボアードエイプヨットクラブ:Bored Ape Yacht Club)の開発企業であるYuga Labsは、大規模なメタバースへの取り組みとしてOtherside(アザーサイド)という新しいプロジェクトを開始した。
アザーサイドプロジェクトは2022年3月に最初に発表された。アザーサイドは既存のBAYCの拡張版にすぎないと考える人もいるかもしれないが、BAKC(ボアードエイプケネルクラブ:Bored Ape Kennel Club)のような二次コレクションとはまったく比較にならないくらい壮大なプロジェクトとなっている。
- 人気NFTのBAYCを開発したYuga Labsがアザーサイドを制作。
- 2022年3月に4億5,000万ドルを調達することに成功。
- メタバースの開発には現在、多くの企業や個人が運営を支援している。
- Andreessen Horowitz、CoinBase(コインベース)、Animoca Brands(アニモカブランズ)、Samsung(サムソン)、Google Ventures(グーフルベンチャーズ)が投資。
- アザーサイドプロジェクトは、BAYCエコシステムに接続されたMMORPG。
- MMORPGのメカニズムとWeb3対応の仮想世界を融合させたエコシステム。
- Animoca Brands、Improbable、Ape Coin DAOが支援。
Yuga Labsとは?
Yuga Labs(ユガラボ)は、NFTとデジタルコレクションを開発するブロックチェーンテクノロジ企業である。ワイリー・アロノウとグレッグ・ソラノによって2021年に設立され、フロリダ州マイアミに本社を置いている。
2021年4月28日、YugaLabsはBored Ape Yacht Club(BAYC)を立ち上げた。このBAYCはNFTの歴史の中で最も重要なプロジェクトの1つになった。後に買収したCrypto Punksとともに、2021年に記録的な取引量を記録したNFTの一つである。
他にもBored Ape Kennel Club(BAKC)やMutant Ape Yacht Club(MAYC)などのコレクションもあり、同様にOpenseaで販売され数百万円以上の価値がついている。

その後、Yuga LabsがCrypto Punks(クリプトパンクス)とMeebits(ミービッツ)のIP権の取得を発表したとき、Yuga LabsがNFTのナンバーワン企業となった。Yuga Labsは、最初にOpenseaにてBAYCを0.08ETH(210ドル相当)のミント価格でNFTコレクションを立ち上げたところから、1年で40億ドルの評価額を持つ主要なWeb3ブランドになった。YugaLabsは強力で影響力のある組織であり、暗号通貨およびNFT分野のほぼすべての大企業とつながりを持っている。

アザーサイドの資金調達に成功
NFTで成功を納めたYugaLabsは、メタバース空間のアザーサイドの計画を明らかにした後、再び注目を集めた。
2022年3月下旬に、Yuga LabsはApecoinとBAYCエコシステムのメタバースプロジェクトであるアザーサイドを含む資金調達ラウンドを完了し、4億5,000万ドルを調達することに成功した。また評価額を40億ドルに達していた。
ベンチャーキャピタル企業のAndreessen Horowitzがラウンドをリードし、他の投資企業には、CoinBase(コインベース)、Animoca Brands(アニモカブランズ)、Samsung(サムソン)、Google Ventures(グーフルベンチャーズ)が含まれている。

アザーサイドはどんなメタバースか?
アザーサイドは、これまでに見たBAYCのNFTユニバースの最大に拡張したものである。アザーサイドプロジェクトは、最終的にはBAYCエコシステムに接続されたMMORPG(多人数参加型オンラインロールプレイングゲーム)である。さらに、このプロジェクトはApeCoinエコシステムに直接結び付けられる。

アザーサイドは、NFTの成功とAnimoca Brandsとの関係により、最も期待されているメタバースプロジェクトの1つである。さらに、YugaLabsは、より広範なNFTユニバースを接続するMMORPGにすることを意図している。
Yuga Labsチームは、このゲームがMMORPGのメカニズムとWeb3対応の仮想世界を融合させると述べており、プレイヤーは世界の土地を所有し、NFTをプレイ可能なキャラクターに変換することができ、10,000人以上が同時にプレイできるようになる構想となっている。
さらにアザーサイドはYuga Labsの開発したNFTだけのメタバースでは無く、相互運用可能なNFTを利用する事を可能とする独自のメタバースになっている。つまり、ユーザーはメタバース間を移動できる。

このプロジェクトには、Cool Cats(クールキャッツ)、World of Women(ワールドオブウーマン)、CrypToadzなどの著名なNFTコレクションも含まれている。アザーサイドでは、コレクターが土地を所有し、さまざまなエコシステムやそこに生息するユニークな存在と相互作用できる、一種のオープンワールドゲームとなっている。
アザーサイドは誰が開発している?
BAYCの企業はYugaLabsであるが、メタバース空間であるアザーサイドを構築しているのはYuga Labsだけではなく、多くの支援を受けながら開発を進めている。YugaLabsの4人の創設者は、最初にBAYCのアイデアを思いつき、アザーサイドプロジェクトを実現する事ができたが、メタバースの開発には現在、多くの企業や個人が運営を支援している。
運営・開発の支援を受けている企業としては主要な暗号通貨ファンドを通じてYugaLabsのシードラウンドをリードしたベンチャーキャピタル会社のAndreessen Horowitz(a16z)がある。この資金により、a16zのゼネラルパートナーであるChris LyonsがYugaLabsの取締役会に加わっている。他の著名なプレーヤーには、Animoca Brands、Improbable、Ape Coin DAOなどがある。
Animoca Brandsは、アザーサイドの構築を支援するゲームソフトウェアおよびベンチャーキャピタル企業である。香港に本拠を置くAnimocaは広く人気のあるメタバースゲームThe Sand boxの原動力でもあり、メタバースの取り組みにおける主要な企業として広く認知されている。
