OCEANは、分散型データ取引市場を実現するためのオープンソースプロトコルである。ユーザーは、データを所有し、データのアクセス権を購入するためにトークンを使用できる。
OCEANプロトコルは、機械学習、人工知能、医療、物流、エネルギー、環境など、さまざまな分野でのデータ活用を促進するための取り組みを行っている。OCEANは、データセットの取引を支援するための開発者向けツール、分散型AIモデルの取引を促進するためのマーケットプレイス、および分散型ストレージを提供している。
OCEANは、様々な業界のコラボレーションと、データとAIの活用に向けたイノベーションの実現に注力している。
目次
Ocean Protocolとは？
Ocean Protocolの基本情報としては以下のようになっている。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| コイン名称 | Ocean Protocol |
| シンボル | OCEAN |
| サイトURL | oceanprotocol.com |
| 時価総額ランク* | 143 |
| 価格* | $0.417 |
| ブロックチェーン | – |
| 取り扱い国内取引所 | – |
| 取り扱い海外取引所 | Binance(バイナンス) Kucoin(クコイン) Coinbase(コインベース) |
| 最大供給量 * | 1,410,000,000 OCEAN |
| 総合供給量 * | 613,099,141 OCEAN |
| 循環供給量 * | 613,099,141 OCEAN |
*2023年3月現在時点
CoinMarketCap(コインマーケットキャップ)によると、Ocean Protocolの2023年4月現在の時価総額は143位となっている。
TradingViewのリアルタイムに更新されるチャートより、Ocean Protocolの価格は下記の通りである。
Ocean Protocolの開発
OCEAN Protocolは、世界中から多数の開発者やビジネスパートナーを集めている。以下に、OCEAN Protocolの開発に関わった人物を挙げる。
- Trent McConaghy：OCEAN Protocolの創設者の1人であり、AI、分散システム、暗号化などの分野で20年以上の経験を持っている。また、Solidityというスマートコントラクト言語を開発した人物でもある。
- Bruce Pon：OCEAN Protocolの創設者の1人であり、ビジネス開発やマーケティングの分野で25年以上の経験を持つ。以前はBigchainDBのCEOを務めていた。
- Marcello Mari：OCEAN Protocolの技術リードであり、分散システム、AI、ブロックチェーンの分野での10年以上の経験を持っている。以前はBigchainDBやIPFSの開発にも携わっていた。
- Dieterich Lawson：OCEAN Protocolのエコシステムディレクターであり、プロダクトマネージャーやブロックチェーンエバンジェリストとしての経験を持っている。以前はConsensysやIBMで働いていた。
- データセンター企業：データセンターを提供するAlibaba Cloud、Amazon Web Services、Google Cloud Platform、Microsoft AzureがOCEANプロトコルに参加している。これらの企業は、OCEANプロトコルのノードをホストし、データを格納し、プロトコルの正常な動作を維持している。
- データエンジニアリング企業：データエンジニアリング企業であるZühlkeがOCEANプロトコルのパートナーとなっている。Zühlkeは、OCEANプロトコルを活用して、医療分野におけるオープンデータ経済圏の実現を目指している。
- ブロックチェーン企業：OCEANプロトコルは、ブロックチェーン技術を使用している。ブロックチェーン企業であるOcean Protocol Foundationが、OCEANプロトコルの開発を支援している。また、Balancer LabsもOCEANプロトコルと協力し、最初のAMMベースのデータマーケットを実現した。
- データユーザー企業：OCEANプロトコルは、データ提供者とデータ消費者を直接つなぐことができる。そのため、データユーザー企業はOCEANプロトコルを利用して、データのアクセスや利用を行っている。例えば、DEX Freightは、OCEANプロトコルを利用して、物流業界のデータを収集し、モノの移動に関するデータ市場を構築することを目指している。また、COVIDathonでは、OCEANプロトコルを利用して、COVID-19パンデミックに対する解決策を提供することを目指している。
Ocean Protocolのストーリー
OCEANは2017年にTrent McConaghy氏によって提案された。OCEANプロトコルは、データ市場における問題を解決することを目的として、2018年に発売された。
- 2018年 ：OCEANは最初のアルファ版をリリースし、主要なパートナーシップを締結した。同年、Ocean ProtocolのICOも行われ、約1,250万ドルを調達した。
- 2019年：OCEANは続いてベータ版をリリースし、データ市場に関する問題の解決策として、機械学習の開発者向けのデータの共有と収益化に重点を置くようになった。
- 2020年：OCEANはパートナーシップとイベントを通じて、データ共有市場の成長を促進することを継続した。同年、OCEANはCOVID-19のための分散型AIハッカソンであるCovidathonを主催し、100以上の提案が寄せられました。OCEANはまた、データ市場プロトコルとして初めてAMMベースのデータ市場を立ち上げることを目指し、Balancerと提携した。同年後半、OCEANはDatatokenとOcean Marketを導入し、データ資産を生成および取引するための新しい方法を提供した。
- 2021年：OCEANは、DeFiプロトコルとのパートナーシップ、OCEANDAO（コミュニティ駆動のエコシステム）、データ市場のためのチャレンジ、さらには世界的なデータ経済を構築するためのGAIA-Xとの提携など、多数の発表を行いた。同年後半、OCEANはデータエコシステムの開発者、データサイエンティスト、AI研究者に向けたデータ経済チャレンジを主催した。
- 2022年：OCEANは新しいパートナーシップ、ファンド調達、およびデータ市場を向上させるための取り組みを発表した。同年、OCEANはエネルギー効率の改善に向けたデータチャレンジを主催し、優れたアイデアを持つチームに賞金を授与した。
- 2023年：Ocean Protocolは2百万ドルの資金調達に成功し、Ocean Shipyardの開発を加速することを発表した。Ocean Shipyardは、データプロジェクトを自己主導で実現できるようにするためのフレームワークであり、開発者がデータ市場を構築できるようにするツールを提供する。Ocean Shipyardの主な目的は、開発者がデータ市場を作成し、運営するために必要な一連のプロセスを簡略化することである。資金調達には、Alameda Research、Blockchange Ventures、Coinfund、Polychain Capital、StarkWare、Tally Capitalなど、いくつかの有名なブロックチェーンベンチャーキャピタリストが参加している。
Ocean Protocolの特徴
Ocean Protocolの技術の特徴について、以下の5つの点が挙げられる。
- データプライバシーの確保：OCEANプロトコルは、データプライバシーを重視し、データ所有者がコントロールを保持したままで、データを公開できるようにすることで、データの共有を可能にしている。これは、分散型アーキテクチャに基づく暗号化技術を使用することで実現されている。
- データガバナンスの自律性：OCEANプロトコルは、データガバナンスの自律性を実現するために、スマートコントラクトと分散型アーキテクチャを使用している。これにより、ネットワークの参加者が共同で決定を行い、プラットフォームを改善することができる。
- データトークンの統合：OCEANプロトコルは、データの所有権を代替可能なトークンで表すことができる「データトークン」を導入している。これにより、データ所有者は自身のデータをトークン化し、市場で販売できるようになる。また、データトークンは、分散型アプリケーション（DApp）の開発者にとっても便利で、データアクセスに関する課題を解決することができる。
- コンピュート・トゥ・データ機能：OCEANプロトコルは、コンピュータリソースとデータソースを効率的に組み合わせることで、コンピュート・トゥ・データ機能を提供している。これにより、データの共有に必要なトラストレス性が確保されると同時に、機密性が高いデータにアクセスするための新しい方法が提供される。
- インテグレーションと拡張性の向上：OCEANプロトコルは、柔軟性が高く、様々なアプリケーションに統合しやすいように設計されている。また、OCEANプロトコルは、エコシステムの成長を促進するため、様々な企業やプロジェクトとの協力を積極的に進めている。
Ocean Protocolの今後の将来性
以下は、OCEANの将来性に関する4つの特徴的な点である。
- データ市場の発展：OCEANの主な目的は、データの市場を発展させることである。これは、世界中のデータを共有することができるようになり、価値を生み出すことができる。このようなデータ市場の発展は、様々な分野に影響を与え、新しいビジネスモデルの創出やイノベーションを促進することが期待される。
- 透明性の向上：OCEANは、分散型のデータ共有を促進するために設計されている。これにより、データの透明性が向上し、取引プロセスが透明化される。これにより、不正行為や悪質な行為を防止することができる。
- 機械学習と人工知能の進化：OCEANは、機械学習や人工知能の進化を促進することが期待されている。これは、多様なデータセットを収集し、機械学習モデルのトレーニングに使用することができるためである。これにより、より優れたモデルが作成され、新しいテクノロジーの発明や新しいアプリケーションの開発につながる。
- データプライバシーの強化：OCEANは、プライバシーの強化にも貢献することが期待される。データセットは暗号化され、ユーザーは自分のデータを共有する際に、自分で制御できる。これにより、ユーザーは自分のデータの使用についての完全なコントロールを保持でき、悪用や不正行為を防止することができる。
