ENS (Ethereum Name Service)は、イーサリアムブロックチェーン上でドメインネームシステムを提供するプロトコルであり、ブロックチェーン上のアドレスを人間が読みやすいドメイン名に変換することができる。
ENSを使用することで、ユーザーは複雑なアドレスを覚える必要がなくなり、簡単なドメイン名で送金やアプリケーションへのアクセスができるようになる。ENSは、オープンソースで開発されており、コミュニティの支援を受けている。
ENSは、分散型自治組織(DAO)によって管理されており、ユーザーはENSの将来に関する意思決定に参加することができる。
ENSとは?

ENSの基本情報としては以下のようになっている。
項目 | 内容 |
---|---|
コイン名称 | ENS (Ethereum Name Service) |
シンボル | ENS |
サイトURL | ens.domains |
時価総額ランク* | 136 |
価格* | $13.5 |
ブロックチェーン | イーサリアム |
取り扱い国内取引所 | – |
取り扱い海外取引所 | Binance(バイナンス) Kucoin(クコイン) Coinbase(コインベース) |
最大供給量 * | 100,000,000 ENS |
総合供給量 * | 100,000,000 ENS |
循環供給量 * | 20,244,862 ENS |
*2023年3月現在時点
CoinMarketCap(コインマーケットキャップ)によると、ENSの2023年4月現在の時価総額は136位となっている。
TradingViewのリアルタイムに更新されるチャートより、ENSの価格は下記の通りである。
ENSの開発
ensの開発に関わった企業は以下の通りである。
- ConsenSys:ensの最初の開発企業の1つであり、ensの設計と開発に積極的に取り組んでいる。ConsenSysは、以前はensの運営を担当していたが、現在はensファンデーションに引き継がれている。
- MyEtherWallet(MEW):MEWは、ensと密接に関連するWeb3.0プラットフォームであり、ENSドメインを簡単に購入および管理でaきるようになっている。MEWは、多数のENSドメインを取得し、利用可能なENSドメインの数を増やすために積極的に取り組んでいる。
- Unstoppable Domains:Unstoppable Domainsは、分散型ドメインを提供するプラットフォームで、ensと直接競合している。同社は、ブロックチェーン上で機能する独自のドメインネームシステムを開発しており、ensよりも広い範囲で機能している。
- Ethereum Name Service(ENS)Foundation:ENS Foundationは、ensプロトコルの開発、運営、および拡張を支援するために設立された非営利団体である。ENS Foundationは、ensの長期的な持続可能性と発展を確保するために、ドメイン名の取得や解決のための資金調達を行っている。
- Nick Johnson:Nick JohnsonはENSの開発者の1人であり、元イーサリアム財団のメンバーでもある。彼はENSのコントラクトコードの設計と実装を行い、ドメインオークションシステムなどの機能を開発した。
- Brantly Millegan:Brantly Milleganは、ENSの共同創設者の1人であり、元イーサリアム財団のメンバーでもある。彼はENSのビジョンと目標を策定し、コミュニティの協力を得て、ENSの開発に向けた取り組みを行いた。
- Makoto Inoue:Makoto Inoueは、ENSのコア開発者の1人であり、元イーサリアム財団のメンバーでもある。彼はENSの機能開発や最適化に関わり、ENSの普及に尽力している。
- Alex Van de Sande:Alex Van de Sandeは、ENSの開発者の1人であり、元イーサリアム財団のメンバーでもある。彼はENSのユーザーエクスペリエンスを改善するための取り組みを行い、ブラウザ拡張機能「Mist」や「MyEtherWallet」などのENSを活用したウォレットの開発にも関わっている。
ENSのストーリー
以下に、ENSのストーリーについて解説する。
- 2017年:ENSは最初に公開され、.ethトップレベルドメインが提供された。
- 2018年:ENSのPermanent Registrarが導入され、ENSレジストリが完全に分散型になった。
- 2019年:ENSは新しいトップレベルドメイン、.xyz、.luxe、.art、.kred、.club、.design、および.cryptoをサポートするようになった。
- 2020年:ENSはENS v2を導入し、より高速でセキュアで拡張性がある新しいバージョンのENSを提供した。
- 2021年:ENSはENS+を発表し、ユーザーが異なるトップレベルドメインで1つのアドレスを使用できるようになった。また、ENS DAOが発足し、ENSコミュニティの自治を促進することが決定された。
- 2022年:ENSは最初のDAOプロポーザルを投票し、ENS DAOが運営する最初のプロジェクトである「ENS Education Program」を開始した。ENS DAOはまた、ENSのガバナンスや開発に貢献するためのグランツプログラムを導入した。
ENSの特徴
ENS (Ethereum Name Service)は、分散型のネームサービスシステムで、以下のような技術的特徴がある。
ユーザーフレンドリーな名前空間:ENSは、人間が覚えやすい名前をETHアドレスに紐づけることができる。これにより、ユーザーは長く複雑なアドレスを入力する必要がなくなり、送金時のエラーを防ぐことができる。
デセントラル化:ENSは、Ethereumのブロックチェーン上にデプロイされており、独自のルートゾーンを持つ。このため、ユーザーは中央集権的な機関に依存せずに、ENS名前の所有権を主張することができる。
インターネット互換性:ENSは、DNSのような既存のインターネット基盤と互換性があり、DNSからENSへのドメイン名の移行が可能である。また、ETH以外のブロックチェーンやWeb3エコシステムにも拡張可能である。
オープンソース:ENSは、オープンソースのプロジェクトであるため、誰でもコードにアクセスして変更することができる。また、ENSに関連する技術や開発のドキュメントも公開されている。
自己主張:ENSは、ユーザーが自分の名前空間を作成し、所有権を主張することができる。また、ENSのガバナンスとして知られるDAOに参加することで、プロトコルのアップグレードや開発方針の決定にも関与することができる。
ENSの今後の将来性
ENS(Ethereum Name Service)の将来性については以下のような特徴がある。
- 世界的なブランド化:ENSは、ブロックチェーン上で唯一の名前空間であるため、世界中のブランドや企業が自社名を取得することができる。このことから、ENSは将来的にはインターネット上のDNSと同様に、世界中で広く認知される名前空間となる可能性がある。
- DeFiやNFTの普及による需要の増加:ENSは、DeFiやNFTの世界においても有用であり、特定のアドレスや資産の所有権を識別するために利用される。これらの分野が今後も発展していくことが予想されるため、ENSの需要も増加する可能性がある。
- DAOによる分散型統治:ENSは、DAO(分散型自治組織)として運営されており、コミュニティの意見を反映する形でアップグレードや決定が行われる。このような分散型統治は、ENSの透明性や信頼性を高めることができるため、将来的な成長につながる可能性がある。
- 新しい機能の追加:ENSは現在、名前の取得や更新などの基本的な機能を提供しているが、今後は新しい機能の追加が予定されている。例えば、ENSを利用したドメイン名の貸し出しや、異なるブロックチェーン上での相互運用性の向上などが挙げられる。これらの機能が追加されることで、ENSの使い勝手や価値が向上する可能性がある。