Compoundは、DeFiプラットフォームであり、DeFi分野において、イールドファーミングやレンディング、借り入れなどの様々な金融サービスを提供している。
Compoundは、イーサリアム上に構築されたスマートコントラクトによって運営され、CTokenと呼ばれるイーサリアム上のトークンを発行することで、ユーザーがさまざまなトークンを担保として預けたり、借り入れたりすることができる。また、Compoundは、分散型のガバナンスプロトコルを採用しており、ユーザーはプラットフォームの運営やアップグレードに参加することができる。
さらに、Compound Treasuryと呼ばれるビジネス向けのサービスも提供しており、機関投資家がイーサリアム上でのレンディングを行うことができる。Compoundは、Anchorage、Fireblocks、BitGo、Ledgerなどの企業と提携しており、セキュリティやプライバシーにも配慮している。
Compoundとは?

Compoundの基本情報としては以下のようになっている。
項目 | 内容 |
---|---|
コイン名称 | Compound |
シンボル | COMP |
サイトURL | compound.finance |
時価総額ランク* | 118 |
価格* | $42.5 |
ブロックチェーン | イーサリアム |
取り扱い国内取引所 | – |
取り扱い海外取引所 | Binance(バイナンス) Kucoin(クコイン) Coinbase(コインベース) |
最大供給量 * | 10,000,000 COMP |
総合供給量 * | 10,000,000 COMP |
循環供給量 * | 7,267,152 COMP |
*2023年3月現在時点
CoinMarketCap(コインマーケットキャップ)によると、Compoundの2023年3月現在の時価総額は117位となっている。
TradingViewのリアルタイムに更新されるチャートより、Compoundの価格は下記の通りである。
Compoundの開発
Compoundの開発に関わった主要な人物と企業について、以下に8つ挙げる。
- Robert Leshner:Compoundの創設者であり、CEO。以前はポートフォリオ管理アプリのPostlightと、ビットコインスタートアップであるRobocoinでエンジニアとして働いていた。
- Geoffrey Hayes:Compoundの共同創設者であり、CTO。以前はUberとZyngaでエンジニアとして働いていた。
- Calvin Liu:Compoundの技術責任者であり、共同創設者の1人。以前はユーザー数の多いゲーミングアプリであるTwitchでエンジニアとして働いていた。
- Max Wolff:Compoundのエンジニアリングマネージャー。以前はローカル採用のポータルであるHiredでエンジニアとして働いていた。
- Compound Labs:Compound Labsは、Compound Protocolの開発と運営を行っている企業である。Compound Protocolは、分散型金融(DeFi)の分野で大きな影響力を持っており、Compound Labsはその中心的な役割を果たしている。
- Anchorage:Anchorageは、暗号通貨のカストディ(保管)サービスを提供している企業で、Compound Protocolのトレジャリー(財務管理)システムにも関わっている。Anchorageは、Compound Protocolの取引に使用される暗号通貨の保管も行っている。
- Fireblocks:Fireblocksは、暗号通貨のセキュリティと保管に特化した企業で、Compound Protocolのトレジャリー(財務管理)システムにも関わっている。Fireblocksは、多くの企業が暗号通貨を安全に保管できるようにすることを目的にしている。
- BitGo:BitGoは、暗号通貨のセキュリティと保管に特化した企業で、Compound Protocolのトレジャリー(財務管理)システムにも関わっている。BitGoは、クライアントの資金を保管し、セキュリティを確保することを目的にしている。
Compoundのストーリー
以下に、Compoundのストーリーについて解説する。
- 2017年:Compound Labsが設立され、Compoundの開発が始まる。
- 2018年:Compound v1がリリースされる。v1は、イーサリアムブロックチェーン上のERC-20トークンを対象とした、分散型のマーケットプレイスである。初期のトークンはBAT、REP、ZRXの3種類。
- 2019年:Compound v2がリリースされる。v2は、ERC-20以外のトークンにも対応し、ゼロコストでのアップグレードも可能となった。また、レバレッジ取引が可能となるcTokenが追加された。
- 2020年:Compound Treasuryが発表される。これは、機関投資家向けに、リスクの低い、固定金利の貸出を提供するサービスである。また、CompoundのガバナンストークンであるCOMPがリリースされ、ユーザーによるプロトコルの決定に参加できるようになった。
- 2021年:Compound Chainが発表される。これは、Compoundをブロックチェーン間で相互運用可能にするレイヤー2ソリューションである。また、Compound Treasuryがビジネス向けに提供されるようになった。

Compoundの5つの特徴
Compoundは、分散型の金融プラットフォームで、ERC-20トークンを使った金利スワップ取引を可能にするプロトコルである。以下はCompoundの技術的な特徴である。
- 自動的な金利調整機能:Compoundは、供給量や需要量など市場の状況に合わせて自動的に金利を調整する機能を持っている。これにより、市場変動に対してリアルタイムに対応できる。
- アルゴリズムによる資産評価:Compoundは、アルゴリズムによって資産の評価を行い、借り手に適切な金利を提供する。また、複数のオラクルを使用することで、正確な価格データを確保している。
- 柔軟な取引性:Compoundは、ユーザーが自由にトークンを供給して、利益を得ることができる。また、トークンを担保にして他のトークンを借りることができる。
- デファイ(DeFi)エコシステムの一部:Compoundは、デファイ(DeFi)エコシステムの一部であり、他のプロジェクトとの連携が可能である。また、オープンソースで開発されているため、開発者が独自のアプリケーションを開発することができる。
- セキュリティの高さ:Compoundは、セキュリティに特に注意を払っており、スマートコントラクトの脆弱性や不正な操作に対する防御機能を備えている。また、オープンソースであるため、誰でもプロトコルのセキュリティを確認することができる。
Compoundの今後の将来性
Compoundは、分散型金融(DeFi)プラットフォームの中でも人気が高く、将来性も高いと言われている。以下は、Compoundの将来性についての4つのポイントである。
- ディセントラル化の拡大:Compoundは、分散型金融の中でも、取引所やマーケットメーカーがなく、P2Pで取引が行われることで、高いレベルのディセントラル化を実現している。今後も、より多くのユーザーがCompoundに参加し、プラットフォーム全体のディセントラル化が進むことが期待される。
- ユーザーの成長:Compoundは、機能性とシンプルさが人気の秘訣であり、現在では40億ドル以上の資金が投資されている。ユーザー数も急速に増加しており、今後も成長が期待されている。
- コミュニティの発展:Compoundのコミュニティは、よく組織されており、非常にアクティブである。Compoundのユーザーは、開発者やエンジニア、トレーダー、投資家など、多岐にわたっており、より多様化されたコミュニティが形成されている。このコミュニティの力により、新しいアイデアや機能が開発され、Compoundの成長につながっている。
- 新しいプロダクトの開発:Compoundは、そのプロトコルを構成する様々な要素の改良や新機能の追加を継続的に行っている。例えば、Compound Treasuryは、法人向けに提供される新しいプロダクトで、より多くの資金をプラットフォームに引き込むことを目的としている。これらの新しいプロダクトの開発が、Compoundの将来性を高めることが期待されている。